*中津先輩*
でも、そんな場合ではなかった。


ここは、307号室。

つまり、…中津先輩の部屋の中っ。


恐る恐る振り返ると…。


驚いた顔をしてベッドから起き上がる、中津先輩がいた。


「…北原!?どうして…」


脱ぎ捨てられたテニスシューズ。

部屋に無造作に置かれたラケットバッグ。


それらを見ると、胸が痛かった。


なんて言われるか…怖い。

でも、今ここで謝らなければ、あたしはきっと後悔する。
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