*中津先輩*
拒絶…された。


体が石のように固まって重い。

ただ、胸だけが締め付けられたように痛かった。


目の奥が熱くなる。

堪えていたなにかが、溢れ出ようとしている。


「…ごめんなさいっ。すぐに帰りますから…」

あたしは下唇をキュッと噛んだ。


中津先輩の言う通り、すぐに部屋から出て行こう。


あたしはドアノブに手をかける。


…すると。


「待てよ。なんで泣きそうな顔してるんだよ?」
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