いつも視線は君ひとり


──ガラガラ




「失礼します…。す…昴?」


私が呼ぶと、昴はこっちを向いた。


「お前は…誰だ?」


──ズキンッ


ああ。


覚悟はしてたけど、昴に「誰だ」って言われるのはやっぱりきついな…。


「えっとね…私は向澤 咲っていって、昴の幼なじみなの。

…何て急に言われても、意味わかんないよね…。」


「向澤…咲…。今日母さんが来るって言ってた子か…?」


「あっ…。多分、そう…。」


──シーン


あっ…えっと…。


「あっあのね、だから何か困ったことがあったら私に遠慮なく相談してね!!」


すると昴は私の方を向いた。


──ドキッ


な、なんだろう…。


「…別に。

そんなのないし、あんまり俺に構わないで。

悪いけど、どうせ傷つくのあんただよ。」


えっ…。






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