いつも視線は君ひとり


帰りのバスに乗ってる間、私はずっと空を見ていた。


綺麗過ぎる夕焼けに、きっと明日は雨なのだろうと思った。


そういえば明日からしばらく雨が続くと朝の天気予報で言っていた気がする。


空には夕焼け以外何もないのに私はずっと上を見ていた。


だって、上を向いてないとこんな所で泣き出しそうになるから…。


バスから降りて家まで歩いて帰る途中も空を見た。


身体を触れる風もなく、何も変わらない空を見続けた。


家に帰り、自分の部屋に着くと目の前の窓には出る前に締めたカーテンがあった。


勿論それが隠して空は見えない。


もうさっきの様に上は向けないのだと、そう思い下を向いた瞬間。


貯めていた涙がポツリと一滴落ちた。


それを皮切りに、一気に私の涙腺は崩れた。





うっ




私のせいだ。


自業自得だ。


せき止めていた涙が一粒、また一粒とこぼれ落ちる。




ひっく





私にとっての日常を壊したのは…


私なんだ…。


止めようと思っても感情が溢れ出し、嗚咽は止まらない。





ううっ………


えっ、うっあぁぁっ


あああぁぁぁぁぁぁ




その日はカーテンの隙間から月明かりがさしても私の叫び声は続いた。


声が枯れても泣き続け、気絶したように眠った。


本当に意識がなくなれば、私がいなければよかったのに。
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