いつも視線は君ひとり
二日後、あれからもやっぱり昴から話しかけられることはなかった。
でも、このままじゃ駄目だと思う。
今離れたらもう話せなくなってしまいそうだから…。
あんなに性格が変わってしまったけど、中身は同じ昴だもん。
きっと話せる。
だから、今日こそ昴と話そうと昴の家にきた。
──ピーンポーン
──ガチャ
「はぁい。あら、咲ちゃん。おはよう。」
ドアを開けてひょこっと顔を出したのは昴ママだった。
「おはようございます。昴……いますか?」
「昴を迎えに来てくれたの?…ごめんね。昴は、先に行っちゃったのよ…。
私が咲ちゃんと行きなさいって行ったんだけどね…。ごめんね。」
うそ!!
早く追いかけなきゃ!!
もし一人で教室に入って、私に対してと同じ態度をとったら…。
私は居ても立っても居られなくなって学校へと駆け出した。