いつも視線は君ひとり
「あれ?咲、ワンピース着ないの?」
後ろから声を掛けられ、振り返ると古城 直(コシロ ナオ)がいた。
直は昴と私の幼馴染み。
「あれ?…直何でいるの?」
そう。直は隣のB組。
何でうちのクラスに来たんだろ…。
「ガムテ借りに来た。で、咲は着ないの?」
何だ。ガムテか。
てっきり昴に会いに来たのかと思った。
でも、その考えはすぐに消えた。
なぜなら、昴が記憶喪失になってから直に
「…昴と…どう?」
と聞いてみたことがあった。
すると直は苦笑いで
「…関わるなって言われちゃった!!あはは…。」
と言っていた。
私と同じように、直も昴と最近話せてないらしい…。
それを見ると、やっぱり心が苦しくなる。
私のせいなんだって改めて思ってしまうから…。