いつも視線は君ひとり

私は近くにあったガムテを渡すと


「…うん!!私にはワンピースは似合わないからさー。」


と苦笑いをしながら言った。


すると直は少し微笑んで、


「そう?俺は咲にも似合うと思うけど…。自信、持てよ?」


と言って私の髪を撫でた。


直…優しいな。




「ありがと。でもやっぱ私はこっちかな?」


「そっか。残念だなぁ。」


えっ。


何で残念…?




「直ー。こっち手伝ってー!!」


廊下の方から声がした。


「おっと、行かなきゃ。じゃな!!ガムテありがとう。」


「あっ…うん!!」


残念って…何でだろ…。


「咲ー!!ちょっとちょっと、今の何よー!!」


杏莉も試着して出てきた。


って


すんごい似合ってる…。


かわいい!!


「杏莉、めっちゃ似合ってるね!!かわいい!!」


「ありがとう!!…ってはぐらかさないでよー!?さっきの何なのよー!!」


えっ…さっきって…?


「ただ単に直と話してただけだよ…?」


「はー!!??ただ単にー!?頭なでなでされてたじゃん!!」


頭なでなで…。


あー。


自信持てよって言ってた時のことか…。


「あれは、自信持てよって意味だよー!!深い意味はないって!!」




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