いつも視線は君ひとり
「昴…?」
私がそう呼ぶと昴は振り返って少し驚いた顔をした。
「えっと…何でここにいるの…?」
もしかして昴もサボってた…?
昴は私の質問には答えず、顔を下に向け横を通り過ぎようとした。
私とそんなに話したくないのかな…。
これでほんとに、いいのかな…。
この時を逃したら、もう話せないかも…。
そんなの、きっとだめだ。
気づいたら私は去ろうとしていた昴の手を自分の左手で掴んでいた。