いつも視線は君ひとり
え……。
こっちに向かってくる……?
やばい…。
きっと罰があたったんだ…。
私が昴の事応援出来なかったから…。
今まで邪な気持ちで昴のそばにいたから。
………でも、もういいや。
こんな醜い私を見られずに済むなら…。
私は覚悟して目を閉じた。
──ドンッ
えっ?
私の体は動かしてもいないはずなのに前へと進んだ…。
──ガッシャーン
その爆音と私が地面へうつぶせに倒れたのは同時だった。
数秒後、私は目を開け体を起こした。
……一体、何が起こったの?
振り返って私の目に見えたものは地獄だった。
私がいる所から五mくらい先にあるトラックは、電柱にぶつかって前の部分がへこんでいた。
…あれ?
昴は…?
そう思い少しそこから視線を移すと昴はいた。
でも………
トラックから横に倒れてる昴の頭からすごい量の血が溢れ出ていた…。
私はそれを見て、やっと状況を判断した。
私が横断歩道に飛び出して、トラックにひかれそうになったこと。
そして、昴が私をかばって大けがを負ったということ…。