笹に願いを
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私は、左右の卵巣と、子宮の一部を失った。
外見上は全然分からない。
でも・・・卵巣と子宮って、臓器的には女性にしかないものだから、やっぱりそれらが一部でもなくなったことは、女性の一部を失ったような、女らしさが欠落したような気がする。

それでも、私が女性であることに変わりない。
こんな体になってしまった私を、天野くんは「愛してる」と言ってくれた。
私が、私だから。
それでも私であることに、変わりないから。

もう何年もの間、一男性として好きだった最高のパートナーから、私は愛されている。
それだけで私の心は強くなれる。

がんばろう、生きようって力が湧いてくるよ、天野くん。

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