笹に願いを
「ホント近いね。天野くんちと霊園間」
「だろ?俺、あっち方面は滅多に行かねえんだけど」
「あぁ、海から離れちゃうもんね」
「まーな・・はい、入って」
「お邪魔しまーす」
「ようこそ、我が館へ」
「わぁ・・・!1DKって言うから、結構狭い部屋だろうなーって想像してたけど。意外と広いね」

キッチンの壁には、吊戸棚ではなく、棚がつけてあるので、開放的に見える。
リビング的なスペースはほとんどないものの、ダイニングテーブルは割と大きめ。
椅子が4脚あって、その後ろにベッドがデンと置かれている。
キッチンの後ろ側は、ワークスペースだ。
L字型に沿った白い机には、黒いノートパソコンが1つと、卓上カレンダー(後でよく見たら「エブリクラブ」の付録だった)が置かれていて、机の下には書類等を入れるのだろう、5段ある白い引き出しが置いてある。
キッチンとの仕切りになっている壁にはコルクとホワイトボードが掛けてあって、蛍光色の付箋や、雑誌の切り抜き等が貼ってある。
仕切りのない、全てがパッと見渡せる部屋は、コンパクトだけどちゃんとまとまっている。

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