笹に願いを
「正直に白状すると、はじめておまえに会ったときから“あぁこいつ、なんかいい”って思った。外見的にもどっか惹かれるもんがあったし。今まで一緒に組んできた誰よりも、おまえとは仕事しやすくてさ。この居心地いい関係が、この環境がずっと続けばいいと思ってた。もしおまえと仕事上のパートナーじゃなくなるか、異動で離れ離れになったら、つき合ってって言おうって、自分の都合のいいようにばっか考えてた。おまえのことを最高のパートナーとして見ながら、それ以上に女として意識してた。ずっと。でも、もしおまえにフラれたら、俺は絶対落ち込む。今までの関係だってなくなっちまう。だからストップかけてた。これ以上踏み込んじゃいけねって。でもおまえがガンになって、そんな場合じゃないだろって」
「結局・・・私たちってお互いずっと好きだったんだね。天野くん、そんなそぶり全然見せなかったくせに」
「おまえだってそーじゃねーか」

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