笹に願いを
約束どおり、天野くんは翌日、社まで迎えに来てくれた。
一応彼は休みなので、社のすぐ外で待っててくれていた。

「天野くん！」
「よっ織江。おつかれさん」

私たちは数秒見つめ合った後、二人同時にニッコリと微笑んだ。
そして私の車を停めているところまで、今日の仕事の話をしながら歩き始めた。

・・・すっかりなじんでしまってる。
手をつなぐことや、お互い隣にいることが。
私たちにとっては、それらはもう、ごく自然というか・・「当たり前」になっている。
だからかな、たった一日天野くんに会えなかっただけで、とても寂しかった。

「・・・会いたかった」
「わ、わたしも・・・寂しかったよ。天野くんとはたった一日会えなかっただけなのに」
「たった一日しか離れてなかったのにさ、おまえに会いたくて会いたくて」と天野くんは言うと、フゥとため息をついた。

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