笹に願いを
病院には、投薬治療を行う広めの部屋があり、その部屋で順番を待ち、投薬を受けることになっている。
投薬中の人たちの様子は、カーテンで仕切られているため見えないけれど、部屋に入って私が最初に思ったのは、「人がいる」、だった。
私以外に、ガンの投薬治療をしている人たちが、待っている人たちが、今、ここにいる。
しかも、こんなにたくさん・・・いや。
もしかしたら少ない方なのかもしれない。
それでも、ここにいる人たちはみんな―――付き添いの人たちも含めて―――闘っている。
自分の人生を賭けて。
と思ったら、なぜかホッと安心して・・・感動して、心がじぃんと震えた。
闘っているのは私だけじゃないんだ。
ここにいる人たちから勇気をもらった。
「笹川さん。笹川織江さん」と私を呼ぶ優しい女性の声の方を見た。
来た。私の番だ。
私と、そして天野くんは、ほぼ同時にスッと立ち上がると、看護師さんの方に向かって歩いた。
投薬中の人たちの様子は、カーテンで仕切られているため見えないけれど、部屋に入って私が最初に思ったのは、「人がいる」、だった。
私以外に、ガンの投薬治療をしている人たちが、待っている人たちが、今、ここにいる。
しかも、こんなにたくさん・・・いや。
もしかしたら少ない方なのかもしれない。
それでも、ここにいる人たちはみんな―――付き添いの人たちも含めて―――闘っている。
自分の人生を賭けて。
と思ったら、なぜかホッと安心して・・・感動して、心がじぃんと震えた。
闘っているのは私だけじゃないんだ。
ここにいる人たちから勇気をもらった。
「笹川さん。笹川織江さん」と私を呼ぶ優しい女性の声の方を見た。
来た。私の番だ。
私と、そして天野くんは、ほぼ同時にスッと立ち上がると、看護師さんの方に向かって歩いた。