笹に願いを
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幸いと言うべきなのだろうか。
投薬中、胸のあたりがムカついたり、吐き気はあったものの、実際吐いたのは、家に帰って数時間経った頃で、空は夕焼けの茜色に染まっていた。
「私、意外と薬と相性いいかも」と呟いた私の顔を見た天野くんは、「いいかもしれんが、おまえの顔色あんま良くないし、フラついてんじゃねえか」と言い返してきたけど。
体がフラついているのは自分でも分かっていたから、帰ってすぐにベッドに横になっていた。
「ベッドに寝とけ」と命令口調で言われた彼に、従うまでもない。

結局、投薬初日だけ私は吐いた。
合計3回。
今まで病気っぽい病気(風邪くらいしかないけど)になっても、そんなに何度も吐いたことがなかったから、控えめに言っても、正直ビックリしてしまった。
でもこれは、薬が体内に浸透している証拠であり、拒絶反応の一種なんだと私は思っている。
体内にある必要な細胞まで殺してしまうんだから、拒絶するのは当然の反応だよね?
ごめんね。でも、この薬は生きるために必要なことだから。多少きつくても我慢しなくちゃ・・・と、ベッドに寝たまま、自分に言い聞かせたのが効いたのか、投薬2回目以降から、吐くのは2回に減った。
初日だけというのは変わらないから・・・吐くことに関しては、やっぱり薬と相性がいい方なんじゃあないかなと、自分勝手に思っている。

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