笹に願いを
彼がニッと笑ったときに見える白い歯と、日焼けしている彼の肌のコントラストも、私は好きだったりする・・・。
髪も焼けているのか、地毛自体が少しこげ茶になったそうだ。
ちなみに、彼の愛車「海彦」は、「車体が海のような蒼だから」、そう名付けたらしい。
「海彦」という名を聞くたびに、もっとカッコいい名前つければいいのにと思うと同時に、そこが天野くんらしいと思う。

だから私の顔には、結局笑みが浮かぶ。

「そーだ織江!俺んちに住めば?」
「えっ?」

それって・・・同棲のお誘い!?

運転中の私は、前を見たままハンドルをギュッと余計に握りしめた。
そして、ドキドキしているのを悟られないようにと自分に言い聞かせながら、「何言ってんの」と平静な口調で彼に言った。
< 17 / 224 >

この作品をシェア

pagetop