笹に願いを
「ここを出てどこ行く気だ?おまえが前住んでたマンションは、もう解約手続き済ませたから、またあそこに住むなら新たに契約する必要があるぞ」
「分かってるわよ」
「引っ越せばまた金がかかる。“余計な”金がな」
「だから私はバカだって認めたじゃない!あなたと同棲することだって、今更だけど・・後悔してる。あの時は、これが一番いい方法だと思っ、たのに。うぅ・・・逃げ場が、あなたからの・・ない。うぅっ」
天野くんに対する怒りは、とっくにどこかへ消えていた。
でも、自分自身にまだ腹が立ってる。
それに悲しさや辛さ、悔しさ、彼に対する申し訳なさといった気持ちもゴチャゴチャに入り混じって、私はまた泣き出してしまった。
そんな私を、彼は優しく抱きしめてくれた。
「分かってるわよ」
「引っ越せばまた金がかかる。“余計な”金がな」
「だから私はバカだって認めたじゃない!あなたと同棲することだって、今更だけど・・後悔してる。あの時は、これが一番いい方法だと思っ、たのに。うぅ・・・逃げ場が、あなたからの・・ない。うぅっ」
天野くんに対する怒りは、とっくにどこかへ消えていた。
でも、自分自身にまだ腹が立ってる。
それに悲しさや辛さ、悔しさ、彼に対する申し訳なさといった気持ちもゴチャゴチャに入り混じって、私はまた泣き出してしまった。
そんな私を、彼は優しく抱きしめてくれた。