笹に願いを
「吊るしてくれた?短冊」
「おう。おまえ、去年と同じ願い事書いてたな」
「“大好きな夫と、少しでも長く・・一緒にいさせてください。”以上。義彦は?」
「俺もほぼ同じ。プラスもういっこ」
「え!願い事って、二つも書いていいの?!」
「いいんじゃね?“願い事は一つだけ”っつールールはねえ・・・と思うしー」
「あ。言われてみれば・・・そうだよね?」
「たぶんな。だからまぁ、別に欲張ってもいいってことで」
「それで?なんて書いたの?」
「・・・“妻の痛みが、少しでも軽くなりますように。”あんまり痛がらせないでくださいと、七夕の神様に願ってみた」
「・・・ありがとぅ。来年も・・・」と呟きながら、私はフゥと息を吐いた。
ガン細胞が、私の体をどんどん蝕んでいる。
そのスピードはかなり早いと須藤先生も認めていた。
だから・・・今年が、生きて迎えることができる最後の七夕になるだろう。
「おう。おまえ、去年と同じ願い事書いてたな」
「“大好きな夫と、少しでも長く・・一緒にいさせてください。”以上。義彦は?」
「俺もほぼ同じ。プラスもういっこ」
「え!願い事って、二つも書いていいの?!」
「いいんじゃね?“願い事は一つだけ”っつールールはねえ・・・と思うしー」
「あ。言われてみれば・・・そうだよね?」
「たぶんな。だからまぁ、別に欲張ってもいいってことで」
「それで?なんて書いたの?」
「・・・“妻の痛みが、少しでも軽くなりますように。”あんまり痛がらせないでくださいと、七夕の神様に願ってみた」
「・・・ありがとぅ。来年も・・・」と呟きながら、私はフゥと息を吐いた。
ガン細胞が、私の体をどんどん蝕んでいる。
そのスピードはかなり早いと須藤先生も認めていた。
だから・・・今年が、生きて迎えることができる最後の七夕になるだろう。