笹に願いを
体のあちこちにガン細胞が転移してしまった今、自力で歩くこともできなくなった。
今はもう、ガン細胞が発する強烈な痛みを和らげる薬を投薬してもらうしか、なす術はない。
それでも、痛い時は痛い。すごく。とてつもなく。
「痛いから触らないで!」と叫んだこともある。
誰も・・義彦も触れてないのに。
自分の体内が、どんどんガン細胞に支配されていくにつれて、心まで支配されつつある。
自分の細胞が、気力が、ガン細胞に負けていってる。
少しずつ、ゆっくりと。
あまりの痛さに呼吸まで止まってしまえば、返ってラクになるのに。
私が痛がっているとき、義彦は、自分も痛みを共有しているかのように、辛そうな顔をしている。
それを見るのが・・・辛い。
でも、義彦だって実際痛いんだ。
体じゃなくて、心が。
彼は分かち合ってくれている。
私の夫は、私の心の痛みを軽くしてくれている。
ありがとう、義彦。
逃げないでくれて。
離れないでくれて。
今はもう、ガン細胞が発する強烈な痛みを和らげる薬を投薬してもらうしか、なす術はない。
それでも、痛い時は痛い。すごく。とてつもなく。
「痛いから触らないで!」と叫んだこともある。
誰も・・義彦も触れてないのに。
自分の体内が、どんどんガン細胞に支配されていくにつれて、心まで支配されつつある。
自分の細胞が、気力が、ガン細胞に負けていってる。
少しずつ、ゆっくりと。
あまりの痛さに呼吸まで止まってしまえば、返ってラクになるのに。
私が痛がっているとき、義彦は、自分も痛みを共有しているかのように、辛そうな顔をしている。
それを見るのが・・・辛い。
でも、義彦だって実際痛いんだ。
体じゃなくて、心が。
彼は分かち合ってくれている。
私の夫は、私の心の痛みを軽くしてくれている。
ありがとう、義彦。
逃げないでくれて。
離れないでくれて。