笹に願いを
「おまえがひとりでいたいって気持ちも分かるよ。俺なりに分かってるつもりだ。でも俺としては、おまえが精神的に参ってる時だからこそ、そばにいたいって言うか・・・力になりたいんだ。その想いは俺の自己満足に過ぎなくて、おまえにとっては迷惑この上ないことかもしれない。でもさ、俺たちパートナーだろ?」と彼に言われて、私はハッとした。

こんな時に「パートナー」って言葉を持ち出してくるなんて。
ずるいよ、天野くん。
だってそれって・・仕事の範囲以上の広がりを感じるじゃないの。

でも天野くんが軽々しい気持ちで「パートナーだろ?」と言ったとは、とても思えなかった。
それくらい、彼の言い方には真実味がこもっているように、私には感じた。
何より天野くんは、こんな状況で皮肉を言ったり、他人に不快な思いをさせる冗談を言うような人じゃない。
それに今にも泣きそうな声だったし。
と思いながら、私の方が先に泣いてしまっていた。

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