笹に願いを
「さっきまですげー眠かったが、歩いたら眠気飛んだな」
「お水飲みに行くのと距離的にはあんまり変わらないんだけど。そうだね」
「よっしゃー!この分なら完徹いけるぜ!」
「どーかなぁ。一応目覚ましセットしとくね。気づいたら寝落ちしてたってパターンも十分アリだし。7時でいい?」
「おまえがいつも起きてる時間か?」
「うん」
「じゃあそれでいい。よろしく」

目覚まし機能がついたデジタル時計の「2:13」という数字が、辺りの暗さの中、緑色に光って見えた。
ということは・・・私たち、結構な時間しゃべってる。

「タオルケットは?」
「今はいらね。暑い」
「確かに暑いね。熱帯夜かな」
「かもな」
「・・・ねえ、天野くん」
「何」
「もうちょっと離れてくれない?体温で余計暑く感じる」
「うわーぁ。織江ちゃん、意外と冷たいっ」

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