笹に願いを
うぅわぁ・・・「夢で会いましょう」なんて言葉・・・思いついても甘過ぎでしょ!
再来月には36になるというのに、そんな言葉使うなんて。
背伸びしても、性格的にも外見的にも、私にロマンチックは似合わな過ぎでしょ。

自嘲しながらガクッとうなだれた私は、それでもすぐ立ち直った。
そのまま病室へ戻ろうとしたとき、スマホが鳴った。

あ。天野くんからの返事・・。

送られてきたのは「おやすみ」くらいだろうなと思ってたから、律儀に送らなくてもいいのにと思ったのに。
彼は、それよりも長い言葉を送ってくれていた。

「“寂しかったらこれ(俺)見ろ。怖がりなおまえへの対応策も兼ねて。注 俺自撮り下手だから、いろんなツッコミは全部却下!”って・・なにそれ。魔除け?」

彼からのメッセージをブツブツ呟いた私は、その場に立ち止まって彼の自撮り写真を見ながら、クスッと笑ってしまった。
これは魔除けどころか・・・心強い、私のお守りだ。

私は『ありがとう。眠れない時のお供にする。これでもう夜の病院なんて怖くないよ。お守り携帯してるから。どう撮っても天野くんは・・・カッコいいよ』と送った。
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