笹に願いを
「これ持ってきた」
「え。何・・あ!“銀河警察隊”のコミックだ!しかも11巻以降もちゃんとある」
「買っちまったし。読み始めるとハマるぜこれ」
「そーかなぁ。前読んだときはそんなにハマらなかったんだけど。でも読む時間はいっぱいあるもんね」
「やっぱ入院は2週間か」
「まだ分かんない。術後の経過次第だって、須藤先生に言われた。でも術後1週間は入院だって。これは絶対」
「そっか」
「うん」
「昨日は眠れたか?」と天野くんに聞かれた私は、顔を左右に力無くふった。

「ほぼ完徹した。看護師さんから睡眠薬もらったんだけどねー、全然効き目なかった。それより緊張感の方が勝ってたんだろうね。でも手術中は熟睡状態だったよ。最初ね、看護師さんが数数えてたんだけど、4くらいまでしか覚えてないんだ」
「激早っ」
「ホント。どれくらい・・・2時間ちょっと?それとも3時間近くかかったんだっけ。とにかく、目が覚めたらもう手術は終わってて。それって便利だよね。ありがたいって、実際に手術されてつくづく思ったよ」

< 98 / 224 >

この作品をシェア

pagetop