笹に願いを
・・・そう。手術はもう終わったんだ。
心からホッとしてるのに、悲しい。
口角上げて笑顔作りたいと思うのに、無理な笑顔しか作れない。
目が・・・視界がにじんで・・・。
無意識のうちに、私の両手は下腹部を抑えていた。
「・・・痛い」
「えっ。ナースコール・・」
「ぅぅん、そ、じゃなくて。痛いけど、痛くない。だってもぅ・・・なぃ」
「織江・・・」
丸椅子に座っている天野くんが、覆いかぶさるように私をそっと抱きしめてくれた。
彼の大きな左手は、下腹部に置かれている私の手に、重ね置きされている。
「な、なくな、ちゃった・・卵巣。わたしの、体からなくなっちゃったから、痛みなんて、感じない・・・。もう、二度と感じないんだよ」
心からホッとしてるのに、悲しい。
口角上げて笑顔作りたいと思うのに、無理な笑顔しか作れない。
目が・・・視界がにじんで・・・。
無意識のうちに、私の両手は下腹部を抑えていた。
「・・・痛い」
「えっ。ナースコール・・」
「ぅぅん、そ、じゃなくて。痛いけど、痛くない。だってもぅ・・・なぃ」
「織江・・・」
丸椅子に座っている天野くんが、覆いかぶさるように私をそっと抱きしめてくれた。
彼の大きな左手は、下腹部に置かれている私の手に、重ね置きされている。
「な、なくな、ちゃった・・卵巣。わたしの、体からなくなっちゃったから、痛みなんて、感じない・・・。もう、二度と感じないんだよ」