相原くんは秀才。
──────────────
あれから3日。
あの日以来、私は毎日 相原くんの部屋へと通っている。
「パスパス!」
「隼人決めろ〜!!」
─────シュパッ
………何だよ、勉強だけじゃなくて運動も出来ちゃうのかよ。
ずるくない?
スペック高すぎない?
…同じクラスなのに、今まで全然 気にしたことなかった相原くんを自然と目で追っている体育の授業。
男子がコートを使ってバスケの試合をしている今、私達女子は体育館の隅っこで待機中。
パスをもらった相原くんは、そのまま相手ゴールに攻め込んで
かっこよくシュートを決めてしまった、という訳だ。
これだもん、女の子たちがほっとかないよね。
…なんて、どこか他人事のように思いながら、授業が始まる前に買ってきたスポーツドリンクを喉に流し込む。
あー、冷たい。
もうすぐ夏本番を迎えようとしている今、体を動かしている いないに関わらず、水分補給は必須だ。
「ね!ね!日菜子っ!」
「んー?麻美どうしたの。」
さっきまで隣に座って死んだようにぼーっとしていた麻美が、いきなり活きのいい魚のように元気を取り戻して私の腕を叩いた。