相原くんは秀才。
「…浅野。もう、来んな。」


「へ……?」


「やっぱり、お前 めんどくさい。長谷川に教えてもらえよ。」


無機質な声で紡がれる言葉たちに、私の涙は量を増す。



「…分かった、長谷ヤンに頼む。もう、2度と来ない!3日間ありがと、相原くん。」



それだけ告げて、起き上がった私は涙を拭い


テーブルの上に散らばった数学のワークをカバンへと詰め込んで



そのまま振り向くこともせずに部屋を出た。


結局、私は遊ばれてたのかな?

相原くんの気まぐれ…だったのかな?


泣きながら寮を出れば、この3日間の相原くんとの出来事が次々に蘇って、


知らないうちに、相原くんのこと好きになってた自分に気付いた。


< 18 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop