相原くんは秀才。
私 × 相原くん = LOVE ?!
「何度も言わせるな、お前は数学教師の俺にケンカ売ってんだな?」
「ケンカは売ってないです。
でも、確かに数学は大嫌いです!」
私、浅野 日菜子(アサノ ヒナコ)は、高校2年生。
好きな教科は音楽。
嫌いな教科は…数学。
数学教師 長谷ヤンこと、長谷川 拓磨(ハセガワ タクマ)先生も数学を教えてるって理由で嫌い。
…嘘です、ごめんなさい。
「ったく、次のテストは赤点回避しろ?じゃなきゃ…俺との地獄の夏休みを楽しむはめになるぞ。」
この先生、教師2年目の23歳。
顔良し、スタイル良し、おまけに理系と来た。
しかもこの歳で立派に高校教師なわけで、生徒からも持ち前の適当キャラで大人気。
"ゆるカッコイイ"とか。
確かに黙ってたらモテるだろう。
「断固拒否です!
長谷ヤンとの夏休みなんて、暑苦しいったらありゃしない。」
「あ?そんなこと言うのはどの口だコラ。」
「いひゃい!ひゃいびゃつ(体罰)!」
私の頬を両手で引っ張って、楽しげに笑う長谷ヤンは
先生…と言うよりもはや、生徒なのでは?と、疑問に思うほど。
「とにかく!夏休み前のテストで赤点回避出来なかったら、夏休みはないと思え。」
"分かったな?"と、私のおデコをコツンと小突いて、スタスタと廊下を歩いていく後ろ姿は
やはり、様になっているから悔しい。