相原くんは秀才。
「でも、それはさせたくないってヤツが1人いてなー。

…そいつがお前の赤点回避してくれるらしいんだけど、まだ出会ってない?」



「っ、」



クスクスと、笑う長谷ヤンは"青春だなー"なんて、23歳のくせにオヤジみたいなことをポツリ漏らしてから



「俺に宣戦布告に来たよ。『浅野にベタベタすんな。』って。相原 隼人。」


再びニタッと笑った。


「…なに、それ。」



それじゃ、まるで。
相原くんが……私のこと好きみたいじゃん。



「……今どきの高校生はませてて困るねぇ。くれぐれも、"ハメ"を外しすぎないように、な?」


「なっ…!長谷ヤン?!」



ニヤリと笑いながら私に背を向けて去っていく長谷ヤンは、


きっと、私の気持ちにも気付いていて



そしてやっぱり、かっこいい。
もし同年代にいたら好きになってたかもしれない…。


いや、あんなの好きになったら心配事が山ほど出てきそうだけど。



でも、長谷ヤンと話して私の気持ちは……固まった。

今日、2度と行かないと誓った…211号室へ行こう。たった2日で誓いを破るなんて我ながら驚きだけど


聞きたいことが、あるんだもん。
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