相原くんは秀才。
─────ガチャッ
ドアを開けて広がるのは、シンプル極まりない世界…
──────バンッ
なんかじゃなくって……
「……相原くん…?」
視界いっぱいに広がる、相原くんの整いすぎた顔。
「帰れって言ったじゃん。」
目と鼻の先にある相原くんの顔。こんな至近距離で私も相原くんに見つめられているのかと思うと
穴があったら入りたい気分だけど
背中にはドア。
相原くんは、ドアに両腕をつき私の顔をのぞき込んでいる。
あー、これが壁ドンか。
って、またこんな時に冷静に状況把握してるし。
「やだ。」
「男の部屋 訪ねてくるなんて、どうなっても知らねぇよ?」
相原くんの熱っぽく、それでいて擦れた声で発されたその言葉に、ドクンと胸は高鳴って
茶色いその瞳に、もう全部 吸い込まれてしまいそうになる。
「………いいよ。相原くんになら、何されても、いいよ。」
「っ、」
私の言葉に下唇をギュッと噛んだ相原くんは、
「煽ったのは、日菜だからな。」
「んっ……、」
私の腰を抱き寄せて、触れるだけのキスを数回落とした。
そのまま深く深く…どこまでも深くなっていく口付けに
息はどんどん苦しくなって、
「…っ…んんっ……」
相原くんのTシャツを必死につかめば、ハッとしたように相原くんが離れて行ってしまう。
「……わり。」
バツが悪そうに私の腰から手を話した相原くんの手を咄嗟に握りしめて
まるで、離れないで…とねだるように引き寄せる。