相原くんは秀才。
「…あ、浅野。」
「あ…!…相原くん。」
不意に名前を呼ばれて顔をあげれば、私を訝しげに見つめていたその人の表情が少しだけ緩んだ。
「珍しいな。図書室で会うなんて。」
「そうだね!…って、実は初めて来たんだ、今日。」
"へへへ"と笑う私に、"なるほど"って顔をした相原 隼人«アイハラ ハヤト»くんは
私のクラスメイト。
クラスで1番…ううん、学年でも1、2を争うほど頭が良くておまけにイケメン。
サラサラな黒髪は、短くカットされていて、軽く…ほんとに軽くワックスで整えられている。
目にかかりそうな前髪は、相原くんが動く度に綺麗に揺れる。
奥二重にも近い二重ライン…。
スッと筋の通った高い鼻。
何より、色素の薄い茶色がかった綺麗な瞳に見つめられれば…何も言えなくなりそうで…
「あ、そう言えば。」
「……ん?」
まっすぐ私を捉えたまま、話題を切り替えた相原くんに遅れながらも相槌を打つ。