相原くんは秀才。



「長谷川に頼まれてる。」


「え?…長谷ヤンに?頼まれてるって…何を?」


キョトン、と頭の上にハテナマークを3つほど乗せた私に


「浅野の勉強、見てやれって。」



サラッと…なんて事ない、とでも言いたげに発せられたその言葉に

私はしばらくフリーズしてしまう。



は、長谷ヤンめ、私が数学が壊滅的に出来ないことを…秀才 相原くんにチクリやがったな。


恥ずかしいじゃん。
1問も解けずに15分も経過してしまうほどバカだなんて知られたら泣けてくるじゃん。


「で、どうする?…俺と勉強する?」


「え、いや!そんな…申し訳ないよ!秀才 相原くんの勉強時間を削ってまで私に付き合ってもらうなんて!」


胸の前で両手を軽く振りながら、必死に首を横に振れば、


"ふぅ〜ん"と、口角をあげた相原くんは言った。



「人の迷惑考えてる余裕あんの?それとも、長谷川と夏休み過ごしたいとか?」



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