相原くんは秀才。
クスッと笑いながら、からかうような言葉と共に、私に降り注ぐ視線。


"そんなんじゃない"って、言い返したい気持ちは、茶色がかった瞳に溶かされていく。



「………お、」


「お?」


「…お願いします。」



確かに、相原くんの迷惑を考えてるほど余裕があるわけじゃないし。


相原くんは、秀才。


私に勉強を教えたからと言って、成績が下がるなんて事は有り得ない。


だとしたら、夏休みを獲得する為に私が今やらねばならぬことは……



「私に勉強、教えてください。」


きっと、相原くんに勉強を教わることだろう。


長谷ヤンがくれたチャンスだし、私に付きっきりの夏休み…それは、長谷ヤンもきっと迷惑だよね。

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