今日も来ない、きみを待ってる。

「お待たせいたしました。チョコレートケーキとアイスコーヒーでございます」

そう言って白いシャツに黒のパンツ、黒のエプロンを着た彼がスーツの女性に向かって笑顔を浮かべる。

「ありがとう」

スーツの女性はお礼を言って、チョコレートケーキとアイスコーヒーが乗ったお盆を自分の席に運ぶ。
そんな様子を私はカウンターの近くの席で、カフェラテを飲みながらじっと見ていた。

私がカフェへ入って二時間。
ずっと席に座ってカフェラテを飲みながら、カウンターにいる彼を見つめていた。

やっぱり今日も笑顔が素敵だな。

私は週に2回、このカフェへきてカフェラテを飲む。
本当は毎日来たいくらいだが、バイトもしていない。
ただの高校生のお小遣いでは、1杯350円のカフェラテは痛い。

このカフェに来るようになってから、もう三ヶ月が経った。
きっかけは、もちろんカウンターに立つ彼の影響だ。
出会いはこのカフェではなく、カフェの近くの駅だった。

出会いは三ヶ月と少し前に遡る。
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