今日も来ない、きみを待ってる。
「なんで泣いてるの」

彼の言葉に私ははっとした。
いつの間にか涙は、私の頬を伝って零れ落ちていた。

「あ……」

泣いていると自覚したときには、涙はもう止められなかった。
彼への気持ちが溢れて、涙となって零れ落ちた。

「私、麻倉さんのことが…好きです」

8ヶ月の間定期的に会っていたはずなのに、私が麻倉さんへの気持ちを口にしたのは初めてだった。

「でももう、麻倉さんのことを待つことはできません。今日で会うのは、終わりにしたいです」

彼は私の言葉を聞いて、何も言わなかった。
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