【短】ソルト男子にはシュガーを。
ゆっくりと振り返ると、やはり後ろにいたのは不機嫌な椎名くんだった。
「し、椎名くんっ!!」
私が名前を呼ぶと椎名くんは顔を歪めた。
私、なにかしてしまったのかな?
「椎名くん、どこに行ってたの?」
「別に。散歩」
いつもより素っ気ない返事に心が折れそうになる。
どうして?怒ってる?なんで?
そんな考えが頭の中を駆け巡って不安は募るばかり。
だけど、私は……
「椎名くん、あのね!お菓子を…」
紅茶クッキーを椎名くんに差し出す。