【短】ソルト男子にはシュガーを。
今日だって……
きっと、きっともらってくれるはず。
「千明ちゃん、行ってくる!!」
「いってらっしゃい」
私が余分に作ったハニーレモンパイを食べている千明ちゃんに見送られ、私は部屋を出た。
向かうは男子寮122号室、椎名くんの部屋。
椎名くん、部屋にいるかな?
食べてくれるかな?
美味しいって思ってくれるかな?
心臓はバクバクして不安なのに、ワクワクしてる。
変な気分。
その気持ちが体の外へと溢れ出て、歩く足が速くなり、やがて走り出していた。