【短】ソルト男子にはシュガーを。
♪ふんふんふーん
今日はクッキーが上手く焼けたから気分が良い。
鼻歌交じりにスキップしながら椎名くんの部屋へ向かう。
「…あれ?村本?」
廊下を歩いていると不意に名前を呼ばれ、振り返ってみるとクラスメイトの加藤くんがいた。
「加藤くん。どうしたの?こんなところで」
「いや、俺は部活帰り…村本こそどうしたんだよ」
「私は椎名くんにお菓子を届けに!」
サッと袋に入れたクッキーを目の高さまで上げて、加藤くんに見せる。
「へぇ〜」
加藤くんはクッキーをジィーと見つめながら、興味ありげに呟いた。