オトナの恋は強引です!
私はものが欲しいわけじゃない。

「じゃあさ…
私を抱いてくれる?」

…欲しかったものは体じゃないんだけど。とちょっと思う。
いいよね。
引っ越すから。
こんなわがまま最後にするから。
ずっと、好きだったから。

「…マジ?」とアホな返事。
このドラゴンは随分と年上のくせして、時々アホに見える。

「竜二さん、上手そうじゃん。」と言ってみる。
「いや、うーん。コムギの友達だし。」とスプーンを置く。ちょっと真剣な顔だ。
「…ダメだったらいいよ。冗談だから。」と私はうつむく。

私じゃやっぱりダメなんだね。と息を吐くと。

「ダメじゃないけど。うーん。」と私の顔を見る。

「…」ダメじゃないの?と私は驚いてドラゴンの顔を見る。

「俺さあ、サクラって結構好みなんだよねえ。…困ったな。」と私の顔を覗き込む。

うん?好みってなんの?とドラゴンの顔を見る。

「いつがいい?」とため息を吐いてから急に決心したように聞くので、私は驚く。

いいんだ。
私でも。

「い、今から。」と慌てて言うと、
「おまえ、急すぎない?」と笑って私の頭を撫でた。

顔が赤くなる。
だって、気が変わったら、困るし。

あなたも。

私も。
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