オトナの恋は強引です！
第3章 逃げるオンナ。

引っ越しの準備。

私は引っ越す期限を２か月。と勝手に決め、マンションを探し始めた。
まあ、アパートでもいい。
仕事は、今年度は始まったばかりだから、
10月なら退職させてもらえるだろうか？

引っ越し屋からダンボールを受け取り、荷物を詰める。
もう、Dragonには食事に行かないと決め、
エレベーターを使うのも止めた。
階段なら誰にも会わない。

もともと、友達も多くないし、暇な時は本を読んで過ごす事にした。
夕暮れ時、商店街の洋食屋にはいる。
4年前、初めて引っ越してきたばかりの頃、
よく入った店。
カニクリームコロッケを頼み、
本に目を落とす。

穏やかな気持ちだ。
4年間、あのドラゴンのお陰で苦しかった。

本に夢中になっていると
ガタンと目の前の椅子が引かれ、
ドサリとドラゴンが座った。
「サクラ、やっと見つけた。
おまえは俺を避けてんのか？」と機嫌の悪いかおをする。
私は返事が出来ない。
「なんで俺を避ける？
Dragonが出来てから、ここに来てないだろ？」と私の瞳を覗く。
「俺との事に不満があったのか？」と真剣な顔だ。
私は首を横に振る。

不満って言われても初めての体験だったんだから。
わかりっこないでしょ。
< 19 / 80 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop