オトナの恋は強引です！
翌朝、早起きして、ゆっくり温泉に入って、家族と朝食をとり、父に
「また、竜二さんときます。」と言うと、
唸り声を出して、席を立った。
母が笑いながら、私に手を振って、父について行った。

やれやれ。
後は母に任せよう。


荷物を持って、「神無月の間」に行くと、
すっかりスーツに着替え終わったドラゴンが私を待っていた。

「うちに帰ろうか。」とにっこり笑って、
私の手と、荷物を持って、旅館を後にした。



ドラゴンは私を車に乗せ、
「サクラ。もお、逃げんなよ。」とため息をついてから、エンジンをかける。
「そうね。」と小さい声で言うと、
「言っとくけど、俺はこの1年他のオンナと寝てないからな。」と私を見る。

「…嘘つかなくてもいいけど。」と言うと、
「あのさー。ちっとは俺の言葉を信じろよ。」と言って、
「エレベーターで会ってたのは姉貴だから。
俺がおまえのこと気にしてるって知ってて、からかってただけだよ。」とため息を吐く。

おねえさん？
「会うたび、違う人だと…。」と下を向くと、

「派手な服をたくさん持ってる。髪型もすぐに変える。」と言って、
「姉貴もサーフィンするからうちに泊まるんだよ。
海が近くて、地下にボードが置いてある。」と笑った。

へえ。そうなんだ。
お姉さんだったんだ。と私はクスクス笑った。

「わかった？」と聞くので、
「うん。浮気したら、別れる。」と言ったら、
「するわけねーだろ。サクラがいなくなったら困る。」と真面目な顔で車を発進させた。



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