オトナの恋は強引です!
部屋に戻ると、
朝食が用意されていた。
完璧な和朝食。お味噌汁にシャケの西京漬けかな、だし巻き卵に、ご飯。
(お手伝いさんがご飯をよそってくれる。)
サラダの代わりにグリーンスムージーかな。
スムージーは果物がたくさん入っていそうな味だし、
お味噌汁は上品な出汁の味がする。
お手伝いさんはもちろんお料理上手ってことだね。
「美味しい。」と言うと、
「いつも、和食だ。俺は海に出てから、飯なんだけど
サクラは仕事に行くの早いだろ。お手伝いさんに早く来てもらう?」と聞くので、
「とんでもない。」と笑い、
「朝は自分で食べるし、夕飯も自分で用意出来る。」と言うと、
お手伝いさんふたりが顔を見合わせ、明らかにがっかりした顔をするので、
「で、でも、ごはんのおかずになる副菜があったら嬉しいかも。」と言うと、
ドラゴンがクスクス笑って、
「だってさ。」とお手伝いさんに笑いかけた。
「何がお好きですか?」と聞くので、
「えーと、お袋の味的な?」と言うと、
「得意分野です。」とにこりとして、ふたりは食堂を出て行った。

「お手伝いさんたちは、8時に来て17時に帰る。
日曜と、木曜(店の定休日。)が休日。
もちろん、掃除や洗濯や料理をしてくれる。
今までは朝食だけ作ってたから、きっと、大張り切りだよ。
昔から、実家にいた人達で、ベテランだし
パートさんになった後、俺の面倒を見てくれてる。って感じ。
まあ、俺がハメを外しすぎないようにって、お目付役でもあるけど、
サクラが仲良くしてくれると嬉しい。
キチンと、教育されているから、噂話は外でしない。
オレたちは安心してイチャイチャして大丈夫。」と笑った。

「身の回りの物を引越しさせたら、
夕方、俺の親に会ってくれる?」と私の顔を見る。

緊張する。
でも、一緒に住む前には会っておくべきでしょう。
と思って、うなずく。

ドラゴンはにこりと笑って、食事を再開した。

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