オトナの恋は強引です!
翌朝、実家の檜のお風呂に入ったドラゴンはかなり気に入ってくれて、
「癖になりそうだ。」と笑い、
「サクラの肌が綺麗なのはこの温泉のおかげだな。」と私の耳元で囁いて、私の顔を赤くした。

帰り道、休憩に入ったサービスエリアでソフトクリームを買ってもらう。
眺めのいい、ベンチに座り、ドラゴンは隣でコーヒーを飲んでいる。

「披露宴って、来年の春か、夏くらいでいいかな?」と、私の顔を見る。
「い、いいけど。」というと、
「披露宴は俺たちだけの問題じゃないから、
家族で話し合わないといけないけど、籍は早く入れたいなあって。」
と、照れたような笑顔に見とれていると、
「聞いてる?サクラ。」と言われて、ハッとする。
ソフトクリームが溶け出して、崩れそうだ。
慌てて、ソフトクリームを舐めると、
横から、ドラゴンがソフトクリームに噛み付いてきて、
「サクラ、俺を見て。」と機嫌の悪い顔だ。

いや、見てたけど。

「サクラ、俺より、アイスかよ。気に入らない。」と言って
さらにソフトクリームに噛み付くので、
「あ〜、私のアイス。」と怒った顔をすると、
急に唇を重ねてくる。冷たくて甘い。





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