オトナの恋は強引です!
ドラゴンは私が男の人と話していると、何かと邪魔をしてくる。
「ちょっと、手伝って。」とか、
「姉さんが呼んでる」とか、わかりやすいウソをつかないで欲しい。
絶対相手にバレてるけど…
親戚や、兄弟達の大切なお友達なんじゃないですか?
と思うけど、
ドラゴンは私の肩を抱いて、取り戻すと、ホッと息を吐く。
「…そんなに心配しなくてもいいんだけど…。」とドラゴンの顔を見上げると、
「周りのヤツらはイイ女に敏感なんだよ。
サクラの周りばっかり若い男が集まってる。」と不機嫌な顔だ。
「えーと、みんな初めて会に出た、私がが物珍しいだけだよ。
ヤキモチですか?」と笑うと、
「ここにいる奴らは、みんな仕事が出来るし、社会的には信頼がある。」とボソボソ言う。
「私は竜二さんが好きです。」とそっと、手に触れると、
「わかってるつもりだけど、そばにいて。」と手を握って歩き出す。

「もう1回、散歩に行こう。」とドラゴンは私に囁く。
「しょうがない人だな。」と笑って顔を見上げると、にっこりして、
お姉さんに、
「桜を見てくる。」と言って、
「竜二、すぐに戻るのよ。」と呆れた顔をされる。

「抜け駆け。」と私に笑いかけ、足早に、実家を後にする。
やっぱり、オトナって訳じゃない。
と手を引っ張られながら、お姉さんに頭を下げた。
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