嘘つきは泥棒の始まり!





家からだいぶ離れて学校の近くまで来たところで、黙って歩く桜ちゃんに私は口を開いた。




「さ、桜ちゃん……」


「何」


「手、痛い」


「………」




引かれていた手を桜ちゃんが離して、私との手を繋ぎ直した。


自然な動作で繋がれた手に視線がいく。


手を繋ぐことはいつものことだけど、なんでかな。


いつもよりもドキドキする。


私が桜ちゃんの手を握っているという感覚よりも、ちゃんと手が繋がれている、って感じるからかな。




「……いき」


「え?」


「生意気」


「何が?」




桜ちゃんの呟きに私は首を傾げた。


生意気、って、何が?


桜ちゃんって、そんなこと言うの?


人に対して全く興味ないのに。




「………」


「桜ちゃん?」


「………水鈴が」


「私が何?」



「………水鈴が、生意気」




んん?


どういうこと?


どうして私が生意気なの?


何か生意気なことしたかな。


うーーん……。


思い当たる節が何1つない。


昨日のことかな?


でも、そうしたら朝1発目から不機嫌じゃない?




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