嘘つきは泥棒の始まり!
30分には朝のHRが始まる我が校。
待って待って、本気でやばいよ。
なんでこんなことになってんの、ってくらい遅い時間だよ。
彗ちゃんと話しすぎたのかな。
桜ちゃんの準備が今日は遅かったんだっけ。
なんにしろ、急がなきゃ遅刻になっちゃうよ!
こよりちゃんに「水鈴が不良になってしまった……」って言われちゃうよ!!
「桜ちゃん遅刻しちゃうよ、急いで!」
「えー……」
困るよ、桜ちゃん!!
ここで無気力を発揮しないでよ!
今後の進路の関係とかを考えると、遅刻は一回もないのがいいの。
だから私は意地でも遅刻したくない。
遅刻したら、ブラックリストに載るなんて噂もあるし。
とにかく、ここは遅刻を回避するしかないの!
「後で桜ちゃんの言うこと何でもやるから、今は走って!」
「……何でもって、どんなことでも?」
「うんうん、だから走って!」
「わかった」
桜ちゃんにしては珍しく簡単に了承したなと思えば、ふわりと体が浮いた。
「ひえっ!?」
「ちょっと大人しくしてて」
「ええええっ」