嘘つきは泥棒の始まり!
・逮捕してもいいですか
◯
:
・
「う……」
眩しい光に、うっすらと開いた目を細めた。
ここ、どこ……?
白いカーテンが揺れて、木々が生い茂っているのが見える。
右に向いていた頭を少し動かして上を向けば、そこには真っ白な天井。
「……死んだ?」
あまりの白さにいつの間にか自分が死んでしまったんだっけ、と思えてくる。
でも、どうやら違うらしい。
多分ここは保健室なのだろう。
だ生きているという証拠に、手に温かさを感じるから、そうらしい。
頭を左側に動かすと、そこには暖かさの理由がいた。
「さ、くらちゃ……」
そこには、こくりこくりと頭を揺らして目を閉じる桜ちゃんの姿。
私の手を両手で握って、眠そうにしている。
というか、ほぼ寝ている。
ずっと手握ってくれてたのかな。
手に熱がこもっている。
「桜ちゃーん」
少し手を揺らせば、大袈裟なほどにシュバッと背筋を伸ばして私を覗き込んだ。
「水鈴っ!?」
「おはよ」
「………あ」
慌ててしまったことを恥ずかしく感じたのか、桜ちゃんはそっぽを向いてしまった。
かわいいなぁ。……なんちゃって。