嘘つきは泥棒の始まり!





「は、ちょっ、待っ!」


「おんぶしてくれなきゃ嫌!
おんぶしてあげるって言って!」


「あーもうわかったから!
おんぶしてあげるからその携帯貸して!」




慌てた桜ちゃんが私の携帯を奪う。


そして、その画面を見やり、一気に脱力。


ありゃ、意地悪しすぎちゃったかな。




「もしもし。水鈴、体調はどう?」




どうやらちゃんと繋がったらしく、こよりちゃんが私を呼んだ。


桜ちゃんから携帯を取り返して耳にかざす。




「もう体調は大丈夫。心配ありがとね。
これから桜ちゃんのおんぶで送ってもらうの」




ついつい頬が緩みながらそう言って、桜ちゃんを見つめる。


はぁ、と大げさにため息をついた桜ちゃん。


仕方ないとでも言うように口角を少しだけあげて、私のおでこをピンと弾いた。




「水鈴、良かったね」


「うんっ」




電話口から聞こえるこよりちゃんは自分のことのように嬉しそうにしてくれているみたい。


桜ちゃんが協力してもらったみたいだし、今度お礼しなきゃ。



通話を終えて、携帯をポケットにしまうと、桜ちゃんが私に背を向けてかがんだ。



「ほら」


「!」





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