真面目で冷淡な彼が豹変するとき
――そこには、中邑くん。
物凄く怒った表情で、私を見る瞳がとても冷たい。
嫌な緊張が私を襲う。
「あ、中邑君!わざわざ二年の教室に来るなんて、よっぽどのことなんじゃない?南、早く行ってきな!」
中邑くんに気付いた栞は私の背中を叩いて、中邑くんのところに行くように促す。
……逃げたい。
だけど、逃げられない。
足が動かなくてその場に留まっていると、教室の入口で待っていた中邑くんがずかずかと中へと入ってきた。
クラスメイトの目が一斉に中邑くんに集まる。
そして、
「いつまで待たせる気ですか?いいから来てください」
そう言って、私の腕を引っ張って教室を出ていく。
教室の中から、驚きと悲鳴のような声が響いた。
だけど、中邑くんは全く気にせずに私の腕を掴んだまま、廊下を歩く。
私もまた、そんな声なんて気にする余裕もなくて。
そんなことよりも、今の状況が分からずに混乱している。
「ちょ、ちょっと中邑くん!!離して!」
そう中邑くんに声を掛けても、何も言ってくれなかった。
私の腕を掴む力は緩むことはなく、ただ引っ張られるままにある場所へと連れていかれた。
物凄く怒った表情で、私を見る瞳がとても冷たい。
嫌な緊張が私を襲う。
「あ、中邑君!わざわざ二年の教室に来るなんて、よっぽどのことなんじゃない?南、早く行ってきな!」
中邑くんに気付いた栞は私の背中を叩いて、中邑くんのところに行くように促す。
……逃げたい。
だけど、逃げられない。
足が動かなくてその場に留まっていると、教室の入口で待っていた中邑くんがずかずかと中へと入ってきた。
クラスメイトの目が一斉に中邑くんに集まる。
そして、
「いつまで待たせる気ですか?いいから来てください」
そう言って、私の腕を引っ張って教室を出ていく。
教室の中から、驚きと悲鳴のような声が響いた。
だけど、中邑くんは全く気にせずに私の腕を掴んだまま、廊下を歩く。
私もまた、そんな声なんて気にする余裕もなくて。
そんなことよりも、今の状況が分からずに混乱している。
「ちょ、ちょっと中邑くん!!離して!」
そう中邑くんに声を掛けても、何も言ってくれなかった。
私の腕を掴む力は緩むことはなく、ただ引っ張られるままにある場所へと連れていかれた。