真面目で冷淡な彼が豹変するとき
え、何その問題。

……教科書からだすんじゃないの?


少し戸惑ったけど、私は答える。

「え、っと半年、かな」

「正解。じゃあ、もう一問。僕のこと、今でも変わらず好きですか?」


そう言うと、中邑くんは持っていた教科書をテーブルに置いて、私を見つめた。


その瞳に、ドキッとする。

変わらずって、当たり前じゃん。

ずっとずっと中邑くんのことが

「す……好きだよ」


そう言った瞬間、私の目の前が暗くなった。

と同時に唇に温かいものが触れる。



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