真面目で冷淡な彼が豹変するとき
もうすでに二年の勉強をしている!?


驚いてしまって、目を大きく見開き中邑くんを見たまま、私は固まってしまった。


す、すごい。

もう一年生でやるものは全部分かりきっちゃってるって事でしょ!?

やっぱり頭のいい人って全然違う。


そんなことを考えていて中邑くんの言葉に答えないでいると、中邑くんは少し苛立ったような声で聞き返した。



「で?征矢先輩はどうするんです?僕に教えてもらうんですか?」

「え……?」


……なんで私の名前を知ってるの?


そう聞きたかったけど、私を見つめる中邑くんの表情が少し怖い。

断らないよね?みたいな威圧を感じる。


「わ、わかった。お願いします……」

仕方なく中邑くんに言った。


中邑くんは私の返事を受けて、読んでいた本を元あった場所に戻すと、私の隣に座る。

「じゃあ早速始めましょうか」

「は、はい」

って後輩なのに、どうして改まって言ってしまうんだろう。

それは中邑くんが少し怖いってのもあるけど、隣にあの有名な中邑くんがいてこうやって話をしていること。

それに少し緊張しているからなのかもしれない。
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